【企業分析】クラレ(3405 )

2019-02-12

 

【はじめに】

クラレの企業分析をしてみようと思います。久々に日本企業です。アルパカが有名ですね。繊維事業を発端として始めた事業は、いまや化学繊維業を得意とするグローバル企業へと変革しました。

米カルゴン・カーボン社の買収も完了し、活性炭を活用した事業基盤を固め、炭素材料事業を将来のコア事業へ展開していく狙いがあるようです。カルゴン・カーボン社はもともとNYSE:ニューヨーク証券取引所に上場していた米国の活性炭世界最大手企業です。買収が完了したことにより、ニューヨーク証券取引所からは上場廃止となりました。

【クラレの基礎的データ】

会社名クラレ
コード3405
セクター化学
設立1926年
上場年1949年
上場取引所東京証券取引所
決算期12月
1株配当
(2018.10月時点)
42~44円
発行済株式数(千株)354,863
資本金890億円
格付けAA(安定的)

【クラレのセグメント・マーケットシェア】

クラレのセグメント・マーケットシェア

出所:クラレ ファクトブック2017

セグメントは以下のとおりです。

  • ビニルアセテート:ポバール樹脂・フィルム、PVB樹脂・フィルム、EVOH樹脂等
  • イソプレン:イソプレン系化学品、ポリアミド樹脂
  • 機能材料:メタクリル樹脂、メディカル関連製品、炭素材
  • 繊維:人口皮革、ビニロン、不織布、ポリエステル繊維
  • トレーディング:繊維製品、樹脂、化学品の輸出入・卸売
  • その他:水処理関係、エンジニアリング事業

クラレは世界No.1製品をたくさん持っています。

  • 水に溶ける樹脂「ポバール」:シェア40%
  • 液晶ディスプレイの表示に不可欠「光学用ポバールフィルム」:シェア80%
  • プラスチックでは最高レベルのガスバリア材「エバール」:シェア65%

【クラレの売上高構成比】

クラレの売上高構成比

セグメント別に売上高構成比を見てみましょう。なんと言っても主力はビニルアセテートです。約半数の構成比を占めています。日本初の国産合成繊維としてビニロンを世界で始めて工業化したのが始まりで、日本の高度経済成長のなかでビニロンの用途拡大を勧めた実績があります。

プラスチックのなかで最高レベルのガスバリア性を持つエバールはイソプレン事業に分類されます。その特性から、食品包装素材として大きな注目を集め、今に至ります。なお、買収を完了したカルゴンカーボン社は機能材料セグメントに分類されます。

【クラレの売上】

クラレの売上

まずは、基本となる売上を見てみましょう。2014年頃までは安定的な売上を達成してきました。2015年から伸びを見せており、今後も期待できるでしょう。

グラフには載せていませんが、最も売上が高いのはやはり主力であるビニルアセテートです。売上の大部分をこのビニルアセテートが占めています。2018年上期段階では、売上及び営業利益で過去最高を更新しています。

【クラレの海外売上高構成比】

クラレの海外売上高構成比

クラレの海外売上高構成比を見てみましょう。2009年の段階で50%弱の海外売上高構成比がありました。売上の半数を海外に依存していと言えます。言い方を変えれば、日本のみならずグローバルに事業を展開していますね。取り扱っている製品の特性上、市場は日本だけでなく世界規模です。近年は60%台を推移しており、さらなるグローバル化を目指していることが分かりますね。

【クラレの海外売上高】

クラレの海外売上高

では、海外の地域別に売上を見てみましょう。いつの段階においてもアジア地域の売上貢献度が高いです。次いで北米、欧州と続きます。その他地域についてはあまり増減はなく安定的に推移していると言えます。ターゲットはやはりアジア、北米ですね。

【クラレの営業利益】

クラレの営業利益
2014年を皮切りに営業利益は右肩上がりを続けています。着実に成長している証拠ですね。営業利益は本業による儲けを表す指標ですので、減少することなど許されません。毎期ごとに確実に利益を伸ばしていってもらいたいと思います。

【クラレの経常利益・純利益】

クラレの経常利益・純利益

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2014年頃までは経常利益も純利益も一時落ち込むことがありましたが、過去3年では順調に利益を伸ばしています。

【クラレの株価推移(2009年~2018年)】

クラレの株価推移(2009年~2018年)

2017年まで上昇トレンドが続いていましたが、これをピークにその後は冴えません。下落の一途をたどっています。

【クラレ vs 日経平均株価】

クラレ vs 日経平均株価

クラレと日経平均を比較してみます。青がクラレ、ピンクが日経平均です。日経平均をアウトパフォームしていた時期もありますが、2017年以降は下落傾向が続いておりとうとう日経平均をアンダーパフォームしてしまいました。

【クラレの過去15年のEPSとPERの推移】

クラレの過去15年のEPSとPERの推移

PERはかつて20倍を超える時期もありましたが、2010年以降は13~15倍程度を推移しており、とりあえず適正と見て良いと思います。EPSは2014年から確実に・ガンガンと伸ばしてきています。

【クラレの配当金額と配当利回り】

クラレの配当金額と配当利回り
配当金は非常に緩やかですが増配しています。配当利回りは2014年以降は下落をしていますね。日本企業において配当利回り2%弱というのは、それほど高くもありませんが低くもないという印象です。

【クラレの配当性向】

クラレの配当性向
配当性向は減少傾向にあります。最低でも40%は維持をしてもらいたいものですが。今後の活躍に期待です。日本企業の経営者は株主還元の意識があまりに低過ぎるという印象がありますので、配当でしっかりと還元してもらいたいと思います。

【クラレのキャッシュフロー】

クラレのキャッシュフロー
営業キャッシュフローは横ばいです。投資キャッシュフロー・財務キャッシュフローはマイナスが普通ですので、特に問題ないとは思います。

【クラレのROE】

クラレのROE

クラレのROEを見てみましょう。日本においては一般的には8%以上が合格と言われています。米国企業のROEと比較すると、日本企業のROEは圧倒的に低い傾向がありますが、これは日本特有のダメ経営者によるものなのでもはや諦めるしかありません。

クラレのROEはここ数年上昇傾向にあります。2016年は目標とする8%にやっと届きました。2017年はさらに上昇して10%台に乗せています。とりあえず合格というところでしょうか。ROEは継続的に上昇していくことに意味がありますので、甘んじず継続的にROEを上げる努力をしてもらいたいものです。

【クラレの株主優待】

  • 自社オリジナルカレンダー:全株主
  • 3,000円(※)相当のオリジナルカタログギフト:1000株以上

※3年以上継続保有の場合10,000円相当

クラレには株主優待があります。クラレのオリジナルカレンダーは申込者全員がもらえます。結構人気があるようで、私も気に入っています。風景写真で、かなり綺麗でとても素敵です。さらに、カタログギフトの優待がクラレにはあります。こちらは1,000株以上保有している株主のみです。

【まとめ】

さて、いかがだったでしょうかクラレは。

大手企業そして優良企業のクラレの分析でした。ビニルアセテート1本で事業を続けていくのは、今後難しいのではないかと予想します。それに変わる新たな事業を成長させ、継続的に企業成長を遂げていってもらいたいと思います。

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